INDEXに戻る 3/30に戻る

 

 


3/31 パリ

ガシェ医師の肖像  7時にパリ・リヨン駅に到着。駅のカフェで、クロワッサンとコーヒーを飲む(14.5F)。すっかりパリでの常宿になってしまったホテル・ベラン(1人1泊200F)に行くため、カルネ(52F)を買ってメトロでシャトレに行く。ホテル・ベランはなかなかの好位置にあって、ルーブルのまで100m、オペラ座までも200mぐらいのところにある。ホテル・ベランに行ってみると、まだ8時なので部屋は空かないが、空きはあるようである。とりあえず昼に来いというので、出直すことに。ホテルに来る途中、至る所でゴッホの絵のポスターが貼ってあった。グラン・パレでガシェ医師の特別展やっている様なので、ここに行くことにした。
 グラン・パレはコンコルド広場のところにあるが、仏海軍省・米大使館もここにあるため、この一帯は対コソボ空爆テロの警戒が厳しい。ガシェ医師の特別展は35F。パリ中の美術館からガシェ医師に関係するゴッホ・セザンヌ・モネの絵を集めてきたようで、まあまあお得な展覧会だ。
 昼前にグラン・パレを引き上げ、セーヌを渡って左岸に行く。日本ではたいていレストランは11時から夜までやっているので問題ないが、フランスでは昼は12時から2時までしかあいていないので、12時台にレストランに入らなければうまい昼飯にありつくことができない。これを外すと米資本のハンバーガーかオペラ近辺のラーメン屋に行く羽目になる。わざわざフランスまで来てフランス料理の真髄を味合わないのは、宝の山に行って手ぶらで帰ってくることに等しい。ということで7区のLe petite Laurentへ。ここは星はないがミシュランに載っているし、ゴーミヨー(*1)では15点だ。シェフのポエミ氏はソースの専門家。
昼のメニュー
Bisque de langoustine maison et ses petits croûtons.クルトン付き自家製エビのビスク
Magret de canard rôti aux poires et coing confits.鴨の胸肉のロティに洋なしと酢漬けのマルメロ添え
L'oeuf à la neige en surprise,coulis de fruits rouges驚異の泡雪卵の赤いフルーツソースがけ
ロワールの赤(375ml)
 前菜のビスクとは甲蟹類の殻をすりつぶして作ったスープである(ソースとしても使われる)。味は、こう言うとうまそうに聞こえないが、蟹みその様な味、クルトンを入れて食べる。ロティと言えばかっこいいけど焼き肉のことである。マグレとはフォアグラを取った鴨の肉なので、かなり肥満症の鴨だ。デザートは日本語に直すと何の意味かわからないが、食べてみて始めて意味が分かった。皿にソフトボールぐらいの卵白のホイップにブルーベリーのソースがかかっていた。食べていってみると、真ん中に黄色いマンゴーのアイスクリームが入っていた。この3品で190F。ワインは銘柄まではメモしてこなかったが、このレストランはなかなかよかった、またオルセーを観たときなどはまた寄りたいレストランである。(全部で258F、5218円
 またオペラ座のところに戻ってきて、マイバス社(*2)で明日のモン・サン・ミッシェルのツアーを申し込む(990F、19717円)。1日のバス旅行で990Fはすごく高いけど、列車バスを乗り継いでモン・サン・ミッシェルに行こうとすれば現地1泊旅行になる。費用もこの半分以下で行けるだろう。もうパリでホテルも取ってしまったことだし、NY株も上昇していることだし、休暇ということで明日は無駄遣いを。
 3時にホテルにチェックイン。シャワーを浴びて、寝てしまった。8時に目がさめたので晩飯を。またすごいところに行くべきだったが、ホテル近くのAux Crus de Bougogueにいった。前回このホテルに泊まったとき、夜遅くまで観光客っぽくない人でいっぱいでかつ店頭に手書きのメニューがあって目を付けていた。しかし、このときはこの手書きのメニューの筆記体が解読できなくてあきらめた。1年立っても、店頭でわからなかったメニューが、店に入っても同じものを渡されるのでわかるはずもないけど、幸いなことに、手書きのメニューがワープロに進化していた。この店はガイドブックに載っていない。
夜のメニュー
前菜 andouillettes 腸詰めのサラミ
メイン Boeuf bourbuignon 牛の赤ワイン煮
ワイン ブルゴーニュの赤 375ml
前菜+メインで130F、ワインは65F。(全部で3944円

前菜は言ってみれば酒のつまみだ。マスタードソースがかかったディジョン風の肉料理が食べたかったけど、ここにはなかったので、同じくブルゴーニュ料理の牛の赤ワイン煮を注文した。ブルゴーニュ料理といえば有名なエスカルゴがあるが、エスカルゴを食べるならこの近くのL'Escargot Montorgueilが有名だ。こちらもブルゴーニュ料理店なので今度はこちらに行こう。ちなみに昼のLe petite Laurentのシェフは、前はここにいた。

*1 ゴーミヨー

 ミシュランと双璧をなすレストランガイド。ミシュランはレストランのリストが書いてあるだけなので、フランス語がわからなくても使いこなすことができるので、パリで真髄を味合うなら買ってみるとよい。ゴーミヨーは点数と批評が付いている。もちろんフランス語で。
 評価はトックと呼ばれるコック帽と点数(20点満点)で付けられる。98年の最高が19点で、10点までが本に載っている。ちなみに日本で有名なところで、帝国ホテルに支店があるトゥール・ダルジャンは16点、ピエール・カルダンがオーナーのマキシムも16点と厳しいが、恵比寿にあるタイユバンは18点が付けられている。一方ミシュランではトゥール・ダルジャンが**、マキシムが*、タイユバンが***である。
 3星クラスのレストランに行く場合、ガイドブックには1ヶ月前から予約が原則と書いてあるが、昼のランチならば入れるかもしれない。98年3月にランスの3星レストランLes Crayeresでは予約なしでもOKだったが、宮殿のようなすごい建物に一人で入っていって、受付で「予約はないけど、食事したい」と申し出るのは非常に勇気がいる。しかし、日本の高級料亭みたいに「一見さんお断り」などと了見の狭いことは言わないから、やってみる価値はある。このクラスになると値段が1皿300F前後、ハーフボトルのワインですら200Fするので、前菜+メイン+ワインを頼むと目処は800Fだ。97年3月に1ヶ月前から予約してトゥール・ダルジャンにランチで行ったときは700Fしたが、店内は全て予約済みで、客はアメリカ人と日本人が多い。アメリカ人はジーンズの短パンに野球帽というやつもいたので、それほど服装に神経質になる必要もないが。

*2 JTBの子会社

 日本人向けの観光バス会社。パリにもフランス資本の観光バス会社があって料金はこちらの方が若干安め。

 

次の日はモン・サン・ミッシェル