9/24 ストラスブール

 ”私が授業するのはこれがおしまいです。アルザスとロレーヌの学校では、ドイツ語しか教えてはいけないという命令が、ベルリンから来ました。…今日はフランス語の最後の授業です。” 『最後の授業』 ドーデ

イル川と大聖堂 ストラスブール行きの夜行がパリ東駅を出るのが0:21。駅のベンチで待っている人から推測して、そんなに込みそうでもないのだが、とりあえず、案内板に列車情報が出る前に私は駅員からどの列車かを聞き出し、コンパートメントを確保した。しかし、発車間際になって、フランス人が一人入ってきた。1部屋で二人だから良しとしよう。ところが、こいつ、出発してほどなくして、紙たばこの様なものを作り始めた。暗くてよく判らなかったが、大麻でも吸っているのか?

 6時にストラスブールに着いた。ストラスブールに来るのは2回目だ。前回97/4にドイツから来たときは、やっとフランスに入ったという印象がしたけど、パリから来てみるとここはもうドイツの街に来たような気がする。観光案内所が開くのが9時なので、大聖堂のところまで歩いてみた。町の中心まで来てみると、トラムが走っていて、ドイツ的だ。旧市街はまるでロマンチック街道の都市みたいだ。
 9時に駅のところまで戻ってきて、観光案内所で地図を入手、日本語の案内ももらった(3F)。ワインツアーのことを聞いてみると、朝9時に駅前のホテルから出発するらしい。だたしツアーは英仏独語のみ。だけど、コルマール発の日本語ツアーのパンフが置いてあったので、こちらの方に行くことにした。
 ストラスブールのホテルはあらかじめ日本からインターネットで予約しておいた。というのは、欧州議会が開催されていると近隣の町のホテルまでいっぱいになるらしいが、今日はどうもそうではないようだ。それに、駅周辺や大聖堂近くに感じの良さそうなホテルがいっぱいある。それに予約したホテルは町の中心から遠い。しかし、クレジットカードの番号が伝えてあるので行かなければならない。駅から30分ぐらい歩いてホテルにたどり着いた。
 シャワーを浴びた後、大聖堂のところに行ってみた。アルザス料理「シュークルート」とアルザスワインを飲むため、『パリからのおいしい旅』(戸塚真弓:講談文庫)にあったLe Clou(ル・クルー)に行ってみた。ここは星なしだがミシュランに掲載されている。店の中は、さながらフランス料理の店というよりは、ビヤホールみたいだ。みんなビール・白ワインを飲みながら、肉のかたまりを食べている。店に入ったとき、ちょうどいっぱいで10分ぐらい待たされた。その間、カウンターに座って待っていると、日本語のメニューを渡され、ワインもグラス1杯くれた。ワインはサービスらしい。請求書に計上されていたが、合計には加算されてない(8F)。

前菜 黒トリュフ入りフォアグラのパテ 60F シュークルート
肉料理 シュークルート・リースリング風味 91F
ワイン リースリング+グラスワイン 54F 計242F

 フォアグラのパテは美食の都ストラスブールが発祥であるらしい。もっとも、ここで食べたものがアルザス産であるかは疑わしいが、非常においしい。アルザス産のものは数が少なく、一流レストランでもハンガリーなどの外国産を使う場合が多い。22日に食べたフォアグラ同様、口の中でとろけ、ほのかに甘い。それが、こんな普通のレストランで食べられる。日本では絶対味わえない。シュークルートは酢漬けのキャベツの山盛りにソーセージ・ベーコンが添えられている。ドイツでしか味わえないと思っていたソーセージがここで食べれるとは。しかし量が異様に多い。
 店を出て、明日の夜のディナーを予約してある「Au Crocodile」によって予約の再確認をして、ホテルに戻った。ホテルに戻ると、コルマールの旅行代理店に電話をかけ、ワイン街道ツアーを予約した。

 6時になり、スーツに着替え、ホテルから1kmのところにある公園に歩いて行った。途中、家の煙突にコウノトリが数羽いたけど、公園の動物園にいっぱいいた。コウノトリはアルザスのシンボルらしい。三ツ星レストラン「Buerehiesel ビューライゼール」はこの中にあった。

食前酒 シャンパーニュ 60F Buerehiesel
前菜 ランド産ガチョウのフォアグラ 260F
魚料理 野菜の漬け物を添えたサンドルの焼き物、ローズマリー風味クリームがけ 240F
ワイン リースリング 93 170F
デザート デザートの盛り合わせ 95F
カフェ カフェオレ 25F 計850F

 昼のフォアグラの4倍高いが、同じ感じ。大きさはどちらも同じ、直径6cmで厚さ1cmぐらい。2つ並べて食べ比べれば違うのかもしれない。もちろん昼のも夜のもどちらもおいしかった。夜のは産地が明示している分高い?アルザス産ならいくらになるのだろう?昼にたらふく食ったため、魚だけにしておいた。