9/19 ミノア(クレタ島:イラクリオン)

考古学博物館 アテネ・エリニコン国際空港はEU加盟国の玄関としてはお粗末な空港だ。飛行機もターミナルと接続できないので、タラップとバスで降りる。税関を出た後、とりあえず5000円を両替した。12500Drs(ドラクマ、1Drs=0.4円)もらった。次のクレタ島・イラクリオン行きまで5時間の待ち合わせだが、国内線の東ターミナルに移動しなければならない。エリニコン国際空港は滑走路を挟んで東西にターミナルがあって、歩いて移動することはできない。空港の到着ロビーを出るとバス停があって、東ターミナル行きが次のは0:30と書いてあったが、待てどもバスは来ない。結局、1:30頃バスが来た(500Drs)。空港を出ると、深夜なのにすごい渋滞。2時にようやく東ターミナルに着いた。
 東ターミナルは西ターミナルよりさらにボロい。空港というよりは鉄道の駅か船の待合所みたいだ。とくに待合所らしきものもなく、適当においてあるベンチもすべて埋まってしまっていたので、床に新聞を敷いて横になったが、あまりに人が居すぎて眠れなかった。

 4時にカウンターが開いて、5時半頃搭乗開始。機材はB-737だが、すごく古い。客も30か40人位だった。機内サービスはジュース1杯のみ。1時間のフライトでイラクリオンに着陸。イラクリオンは人口15万、ギリシア5番目の都市。空港はアテネの空港よりさらにしょぼいが、島なのに一応国際空港だ。日本の地方空港からハワイやグアム便があるように、ヨーロッパの地方都市からいっぱいフライトがある。空港に着いたのが6時半だがあたりはまだ暗い。空港内も早朝便を待っている人が多少居るだけでガランとしている。明るくなるまで待って、バスで町の中心に行った(180Drs)。
 日曜の朝8時だから、通りには誰もいない。空港からのバスの風景は欧州の落ち着いた佇まいではなかったが、目抜き通りのダイダロス通りにはベネトンとはヴァージンレコードとかのブティックが並ぶし、やたらにレンタカー屋が多い。ガイドブックにあったダイダロス通りのホテル・ダイダロスに宿を取ることにした。ガイドブックではシングル+シャワー+WCで12,000Drs〜となっていたが、8,000Drsだった。掃除はまだだが部屋には入れるということで、荷物を置いて、とりあえず、中心地とされるモロシニの噴水のそばのレストランで朝飯をとることにした。噴水と言っても水はもう出ない。このレストランは典型的な観光客向けのものだが、しかたがない。オムレツのモーニングセットと(朝から)ビールを頼んだ(2,100Drs)。ビールは「Mythos(神話)」という銘柄でギリシアらしい。味は日本のものとだいたい同じ。物価はEU諸国とは思えないくらい安い。

イルカの間 空港バスのバス停にバスのチケット売場があったので、そこに戻ってクノッソスまでのチケットを買ったが、乗り場はモロシニの噴水だったので、また戻ってきて、バスに乗った。20分ほどしてクノッソスに着いた。入場料は1,500Drs。なぜかチケット売場にクジャクが放たれていて、ギーギーうるさい。
 クノッソス遺跡(迷宮)は縦横200mで4階の構造で部屋数1300で政治機関・神殿・貯蔵庫であったらしい。迷宮内は結構復元されていて、今は見学用の通路とかができているので糸玉がなくても迷路を見てこれる。壁画とか像の壊れものは博物館にあって、ここにはコピーが置いてある。3000年前、きっとここには戦闘弓兵がいたのだろう。森の向こうにはアッシリアの裏小屋があったのだろうと想像力がかき立てられる。迷宮を作った名工ダイダロスの息子イカロスが、ライト兄弟より3000年早く、空を飛んだのもここからである。

 牛頭リュトン(BC17th-15th)バスで町の中心まで戻って、考古学博物館に行った(1,500Drs)。ここは遺跡から出たものが納められている。壁画なんかは、カイドブックにはすごい保存状態で残ったとあるけど、一部の漆喰が残ったようにしかみえない。3000年経っているので仕方がないが。でも陶器とか彫刻は非常によく原型をとどめている。青銅の剣とか矢尻とかはあったけど、バリスタはなかった。展示品がミノア文明のものだけあって、ルーブルとかにあるギリシアのコレクションより1000〜2000年古い。

 博物館を出て、ホテルに戻ったのがちょうどお昼。日本をでてからというより金曜日の朝からまともに寝ていないので、すぐに寝てしまった。5時頃に目が覚めて、なにか食べに行くことにした。寝ているときにすごい雨の音がしていたような気がするが、ベランダが濡れていたので、雨が降ったのだろう。通りにあるレストランは親切に写真入りのメニューを持っているところが多いが、こんなのは観光客相手だ。裏通りにいくと観光客らしからぬ人たちがいっぱいカフェにいた。そういうところにあった地中海料理のレストランに入った。メニューを見るとイタリアンのような料理が多いが、せっかくミノアに来たので、ミノアの漁船で採った魚のスープとボンゴレのパスタとビールを注文した。魚のスープは絶品だ。(6,100Drs